健康教育

2017年11月27日 (月)

強制性交等で有罪判決を受ければ実刑

11月26日の全性連学習会で「性犯罪関連の刑法改正について」と題した講演で、元目白大学教授内山絢子氏は以下のように語った。「7月13日から施行された刑法の改正により⒈強姦概念の変更(13歳以上の男女に対して、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交、口腔性交〔強制性交等〕をしたものは5年以上の懲役。したがって有罪判決を得たものは全て刑務所おくりになる。13歳未満の場合には暴行・脅迫がなくても強制性交等は成立) ⒉性犯罪の非親告罪化(被害者の被害届及び告訴が無くても公訴提起〔裁判請求〕出来るようになった。⒊強制性交等加害者に対する厳罰化(強制性交等の法定刑を5年以上の有期懲役刑〔上限20年〕)⒋性的虐待の犯罪化(親あるいは同居して18歳未満の子どもの監護に当たるものが、その影響力に乗じてわいせつ行為を行った者は監護者わいせつ罪、性交等をおこなった者は監護者性交等罪となる。)性犯罪の男性被害者は5歳未満から小学生年齢18、19歳までが80%を占め、成人して自分の性指向を悩む人が多い。欧米の性犯罪被害者の多くが知り合いや恋人からの加害であることは、被害者の人権意識の違いを反映していると考えられる。」 以上のことから、今性教育に求められていることは、小学校低学年までは、性犯罪の被害に遭わないよう男女児に性犯罪の起こりやすい場所、時間(下校時の3時頃一人で下校している路上)等しっかりと教える必要がある。さらに自分の承諾なしに自分の体を触られたら嫌だという意思表示をしっかり出来るようにすることが急務である。性的虐待は年間約1600件を超え増え続けている。どんな年代であろうと男女問わず自分の承諾なしに体に嫌な接触をされたら人権侵害という意識を教育の現場で育てなければならないと思う。

2017年11月26日 (日)

教員の献身的努力が治安の良い日本の土台

本日開催された第27回関東甲信越静性教育研究大会で、「1万人を超える犯罪者の心理分析を通して見た現在の性犯罪の動向と対応」と題した記念講演で、東京未来大学こども心理学部長出口保行教授はこう述べている。「性犯罪ばかりに限らないが、犯罪化させない防犯を行うために、動機形成後から始まる意思決定と行動化のいずれかのタイミングで歯止めをかけること、これが重要である。犯罪者は常にリスクとコストを考えている。リスクとは行動化することにより検挙されるリスクの高さ、コストとはその行動を行うことにより失うものの大きさである。そのコストの中に家族、友だち、先生の信頼を失うことが含まれる。その子と関係ある人を結びつけるネットワーク作りの中核をなす教員の献身的努力がコスト感を高めている。犯罪についてより認識を深め、リスクとコストを高めることが性犯罪を防ぐ効果をもたらす。」と。教員の労働疲労が高いのは、頭脳労働より、肉体労働より子ども、その子たちが毎日起こす事件、保護者との対応で心が疲れ、気持ちが疲れ、言いようのない感情疲労が原因であることが多い。それでも多くの教員の献身的努力でこの国の治安が守られていると大方が評価されるなら、このブラックな教育現場の労働状況が少しは改善の方向へ向かうのか な?

2017年8月23日 (水)

保健学習と保健指導の区別が無くなるって知ってた❓

平成28年12月の中央教育審議会答申では、(健康、安全、食に関する資質・能力)において学校における性に関する指導に関連して、「様々な性・薬物に関する情報の入手が容易になった情報化社会の進展に伴い、必要な情報を自ら収集し、適切な意思決定や行動選択を行うことができる力を子供たちに育む」ことが指摘され、そのためにカリキュラムマネージメントを通して、アクティブラーニング(主体的、対話的で深い学び)を深めていくことが重要だそうな❗️それを踏まえて平成29年3月に小中学校学習指導要領が公示され、汎用的能力を育てて、課題解決能力を高めることが必要とされ、とりわけ性に関しては集団指導と個別指導を両輪となって推し進め、個別指導がこれからは重要視されてくるのでそれによって成果を出すことが求められるそうな。思考力判断力表現力の育成がさらに重要視され、自分と社会をつなぐ、健康の大切さに気づくなどの価値に関わる人間性をアクティブラーニングの視点から育成することが、さらに緊急の課題となっているそうです。2030年に世の中に出ていく子供たちにどんな力をつけるべきかを見据えて、来年度から移行期が始まります。(By 文部科学省初等中等教育局健康教育・食育課健康教育調査官 森良一 講演 第47回全国性教育研究岡山大会)さあ〜、来年からどんな新しい授業が全国で提案されてくるか楽しみですね。

2017年8月12日 (土)

すぎなみレッドリボンプロジェクト グウ!

すぎなみレッドリボンプロジェクト啓発講座に行って来ました。ホームページがきれいだったので、どんな人達がやっているんだろうと興味しんしんです。すぎなみレッドリボンプロジェクトは、若年世代等に向けたHIV等性感染症予防の効果的な普及啓発を目的とする杉並区協働提案事業だそうです。1年目は大学高校等の保健教育に関わる人々を中心に啓発・周知、2年目は若年世代への啓発・学校を訪問し啓発(ピア・エデユケーション)勉強会の企画・運営、、ピアリーダーの育成・スキルアップ、3年目はそうやって育てた若年世代の自発的な活動の支援、4年目以降は若年世代自らが協働提案事業にエントリーできるようにするんですと。杉並保健所保健予防課とNPO法人HIVと人権・情報センターとNPO法人ピルコンの協働提案事業で、ホームページはピルコンの女性が作っているそうです。杉並区の予算は付いているものの、NPO法人の参加者は交通費程度の額を支給されて、毎回イベントに参加するんですと❗️杉並区の企画もいいけどやっている人達が若くて元気でいいですね!世田谷区でもこういうのやってもいいのになぁと思いました。

2017年3月21日 (火)

要支援児童の増大は小さく産んだ為❗️

胎児期の低栄養と母体のストレスは、習慣病のみならず中枢神経への影響(精神運動発達遅滞や発達障害)などに関与していると昭和大学医学部小児科学講座主任教授 板橋家頭夫氏は述べた。妊娠37週以上で2500g未満で子宮内発育不良で生まれる子を低出生体重児と言うが、OECD加盟国の平均は6.8%なのに、日本は平均9.6%である。女性の摂取カロリーの低下(2000cal→1700cal)、女性の体重の低下、出産年齢の高齢化、早産児の増加などで低出生体重児は80年の5.2%から19.6%に増加している。低出生体重児は65才未満で冠動脈疾患で死亡するリスクは1.5倍、糖尿病メタボになる確率は2.5倍でスモールベビーシンドロームと言われ、胎内での感受期に様々な器官がプログラミングされた低出生体重児は生活習慣病のリスクが高い。のみならず近年の発達障害児の増加傾向をみると母体のストレスは遺伝子の発現変化を生じ、中枢神経系への影響(精神運動発達遅滞や発達障害など)にも関与していると考えられる。胎児を取り巻く環境の悪化が発達障害や小児肥満の増加を招いているとし、肥満、不妊、注意欠陥多動性障害、発達遅滞は世代間の連鎖もみられるという。この国の子ども達が育つ環境の変化へ、より大きな危機感を持って行動しなければならない時であることを痛感する内容である。

2017年2月12日 (日)

保健の授業にiPadを導入するなら

待ったなし!ICT活用による授業改革」第3回現代教育研究所フォーラム(昭和女子大学大学院)に行ってきました。世田谷区立東玉川小学校ではクラス全員にiPadを持たせて授業が出来る環境にあるそうな。もし保健の授業でも全員にiPadを持たせて授業が出来るなら、現行の内容過多の一方通行の授業を変えることが出来そうだ。調べる子ども、考える子ども、自分の知を創り上げる子どもを育てるなら、思春期にかかり、自分が何者であるかを考えるこの時期の保健の授業がキーとなる。学級の子ども達の自分の心と体の変化についてなにが知りたいか、何を楽しみにしているか、何を心配しているかを事前に調べ、学級独自のデータベースを作っておいて、そこにアクセスして調べて自分ノートを一人一人が作ればよい。なぜなら保健の授業の内容はある子にとっては知っていることばかりで退屈に、ある子にとってはまだピンとこなくて興味がわかないという無関心にさらされていることが多いからである。

2015年8月13日 (木)

妊孕性(子どもをもつことのできる能力)を周知徹底する教育を!

熊本大学教育学部大学院教育学研究科准教授秋月百合氏は、若者の90%は将来子どもが欲しいと思っているといい、将来望む時に妊娠、出産、家族構成出来るように以下の教育が欠かせないと言う。⒈妊孕性に関する知識、⒉自己の将来のイメージを持ち、自己の意志に応じた行動が取れる性と生殖のセルフケア,3.パートナー間で互いの意志を尊重し、話し合い協力する姿勢をもつこと。そのために学校での教科単元に⒈初経があれば閉経がある、2.男性は毎日精子を作れるが、女性は新たに卵子は作れない、3.卵子は年々少なくなり、加齢と共に劣化する。⒋排卵の頻度は月に1回、卵子の寿命は24時間、精子の寿命は2,3日間、妊娠のチャンスは1ヶ月に一回24時間しかないのでタイミングが大事なこと。・・を埋め込む必要がある。中学校では、保健、月経射精、生殖のしくみと生命誕生、高校では保健、家族計画の意義や性教育、自分なりの結婚観や家庭観のところで可能なのではないかと。

2015年3月 3日 (火)

日焼けリスクよりルックスを選ぶテイーンエイジャーにどう語る?

朝日新聞デジタルの記事連載:NYタイムズ世界の話題2015年2月26日18時41分によると、昨年公表された科学的証拠の検証によると、日焼けサロンなどインドア・タンニングが原因とみられる皮膚がんが全米だけでも40万ケースも報告されている。最も危険なメラノーマ(melanoma=黒色素細胞腫)にかかったケースも6千件含まれている。中略・・・発がんにつながる遺伝子変異の標本化を進めている研究機関「がんゲノムアトラス(ICGA)のデータなど最近の研究は、因果関係があるとしている。中略・・・インタビューに答えた若い女の子たちは、「日焼けしていると、かわいく、やせてみえるし、自分に自信がもてるようになるから。」という。

健康へのリスクは知っているけれど、ルックスへの関心には勝てないというテイーンエイジャーへどう働きかけていくかは、日米ともに健康教育にかかわるものの重大な課題である。

2015年1月 3日 (土)

14歳以下で1日6時間以上ネットをしていると脳の発達に影響が!

セーフティーネット総合研究所、専務理事 南澤 信之博士はこう警告する。

最近はwebで大きな情報を個人がみてやり取りするだけではない。SNSに参加する子ども達は、書き込み内容や位置情報でリアルな行動を、アプリやクッキー情報利用でネット上の行動のすべてがわかり、個人が特定され、個人から個人へと自分の情報がダダ漏れして垂れ流し状態になっていることを知らずに、利用している。

Aという子が音楽プレーヤーで素敵な曲をみつけ、BとCに「いいね」と紹介すると、友達候補の推測という働きでBとCの友人に一斉に知らせることになり、何十人という知らない人に情報が届いてしまう。こういうことは友達申請許諾をつけないとどこでもおこることで、知らせたくない人にまで届くというj事をしっかり教えておく必要がある。SNSで個人情報を流すということは、今大丈夫でも、「書き込んだ瞬間に犯罪となります。書き込んだ瞬間に将来の被害者になります。」

携帯、スマホ、パソコンのブルーライトは、精神を過敏にし、睡眠障害を引き起こし、感情をつかさどる脳の一部分だけが活性化し、その他の部分は沈静化する時間が長きに及ぶと判断、自制、責任感、想像力の欠如が生じる。脳の全領域を使っていないで成長するため、重症のネット依存の14歳以下の子ども達の学力低下、学習障害と因果関係がある。

子ども達には、「自分を守ることは周囲の人すべてを守らなければならない。周囲の人と会話することでコミュニケーション能力(相手の意見を五感を働かせ聴く力・相手を思いやる気持ち)を持たねばならない。」ということを一歩寄り添って普段の生活の中で教えていかねばならない。

と「今、身近な大人としてなすべきこと」と題して、2014年11月1日第24回関東甲信越静教育研究長野大会で講演されました。「フィルタリング機能を有効にするだけでなく、保護者が通信会社のショップで1時間位かけて相談しながらカスタマイズしないと、本当に子どもを守ることはできない。」等、初めてきく最新の情報でびっくりすることが多くありました。詳細はEメールminamisawa@nisr.jp へお問い合わせください。

2014年11月 1日 (土)

「知ることは心と体を守ること」

だと信じて、中部地方の学校でいろいろな取り組みがされていることをテレビが報じている。

http://www.youtube.com/watch?v=5aXe42tU2vk

こういう教育が切実に必要とされる現場の状況を踏まえて、全国で様々な人々が創意工夫していることに、ジーンとしてしまった。