育児

2018年12月10日 (月)

15年来の胸のつかえが取れた‼️

今を去ること30年位前、幼児の頃からゲームをして育ってきた子達が小学校へあがってくると、学校がザワザワしてきました。そういう子達は落ち着きがなく、一対一で話さないと意味がわからないのです。当然一対大勢の授業に馴染むはずもなく、立ち歩いたり勝手に外へ出て行ったりします。学校の授業は生徒が座っていることを前提として成り立っています。学力が落ちるのは目に見えています。だので、我が子には小学校に上がってもゲームは脳に悪いと、買い与えませんでした。15年前には研修の講師に「今の小学生は3才の幼児だと思え。中学生は小三だと思え。」と言われて仰天しましたが、その訳が今日理論的に明確に分かりました。 第40回子どものからだと心・全国研究会議のシンポジウムで全国4287名の小中学生に行ったgo/no-go検査で6才男児の6割が大脳前頭葉の不活発型でそわそわ、キョロキョロして落ち着きのない幼さと発達の遅れを示すタイプであることが示されました。
「子どもが危ない!スマホ社会の落とし穴」と題する特別講演で、NPO法人子どもとメディア・代表理事 清川輝基氏は自然の中での外遊びの減少の結果、子ども達の足が育たず、目はガタガタ、体幹を含む筋肉や身体操作能力のレベルが低下し、基礎的人間形成の危機におちいり、脳の劣化が始まっていると主張しました。その論拠として東北大学の川島隆太教授の研究をあげ、仙台市内の小中高校生約7万人を対象に2013年からスマホの使用時間、自宅での勉強時間、睡眠時間、学力調査の成績を調査分析した結果、スマホを使うと、記憶、学習、行動制御、予測などの人間ならではの脳の働きを司どる前頭前野の血流量が下がること、睡眠時間、自宅の勉強時間に関係なく、スマホを1時間以上使ったら、使えば使うほど成績は下がることが分かっているそうです。
今日の会議に参加して、本当に良かった、胸にずっとモヤモヤしていた霧が晴れたようです。ずっと子ども達がちゃんと育ちあがってこないこの国は何かおかしい。何かを変えていかなければ、この国に未来はないと思っていました。気づいたら声を上げて出来ることをして、今よりもっと一人一人が明るいハッピーな顔をして暮らせる世の中にしたいです。日本の子ども達は衣食足りていても、あまりハッピーな顔をしてないと思いませんか?

2018年11月28日 (水)

少子化で衰亡の一途をたどるこの国は?

11月24日フランスのゴンクール賞受賞作家のレイラ・スリマニさん(邦訳「ヌヌ」の作者)と、直木賞作家の桐野夏生さん(「アウト」他著書多数)の対談を聴いた。対談は21世紀の女性の現状をどう見るか、文学に何が出来るかを柱に行なわれた。
桐野さんの娘と1才違いだというスリマニさんは、アフリカ生まれで、アラブの春をジャーナリストとして生き、「ミーツー」もネットで普及したと言う。「アフリカでは1981年には女性の80%が非識字だったのに、今では大学にも文学にもコミット出来るようになった。ナイジェリア、コンゴ等非常に厳しい情勢の国でも、女性が映画を作れるようになった。これからのネット社会でも女性は躍進するだろう。」と見通しを語った。
桐野さんは「女性の地位が114位/150ヶ国の日本では、女性が低賃金の職に追いやられ、経済的、政治的、社会的にも圧倒的な弱者だから、『ミーツー』等でも大きな運動にはならなかったし、女性差別の伝統的な価値観も台頭して来ているので、日本の女性の地位の躍進は容易なことではない。」と語った。
桐野さんの言う貧困の格差の拡大は、日本の子育て世代を確実に脅かしていると思う。子育てのセーフティーネットの不足が、愛着障害の子ども達を増やし、虐待の温床になっている。子どもを安心して産める状況にない、子育てを経済的不安無しに行えない国は、女性たちに子どもを産もうという意欲をもたせない。この国は少子化で衰亡の一途をたどるばかりだ。