性教育の授業に文句を言う前に!
昨年3月に足立区立中学で
昨年3月に足立区立中学で
「性同一性障害の人が戸籍上の性別を変えるには、生殖能力をなくす手術が必要となる法律の規定が合憲かどうかが争われた家事審判の決定で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は『現時点では合憲』とする初判断を示した。一方、規定には個人の自由を制約する面もあるとして『合憲性については不断の検討を要する』と指摘した。」と1月25日付の日経新聞は報じている。自分が自分らしく生きるために、どれほどの人が自分の体を切り刻み、何百何千万のお金を掛けて、寿命を縮めてきたのだろう。あるがままの自分で生きることに寛容でない社会は、性同一性障害でない人にも自由に生きることに寛容でない。たまたま性自認と異なる体に生まれてきた人々に、生殖能力をなくす手術を強要する法律は、人権尊重をうたう憲法の精神に則っているのだろうか????
今を去ること30年位前、幼児の頃からゲームをして育ってきた子達が小学校へあがってくると、学校がザワザワしてきました。そういう子達は落ち着きがなく、一対一で話さないと意味がわからないのです。当然一対大勢の授業に馴染むはずもなく、立ち歩いたり勝手に外へ出て行ったりします。学校の授業は生徒が座っていることを前提として成り立っています。学力が落ちるのは目に見えています。だので、我が子には小学校に上がってもゲームは脳に悪いと、買い与えませんでした。15年前には研修の講師に「今の小学生は3才の幼児だと思え。中学生は小三だと思え。」と言われて仰天しましたが、その訳が今日理論的に明確に分かりました。 第40回子どものからだと心・全国研究会議のシンポジウムで全国4287名の小中学生に行ったgo/no-go検査で6才男児の6割が大脳前頭葉の不活発型でそわそわ、キョロキョロして落ち着きのない幼さと発達の遅れを示すタイプであることが示されました。
「子どもが危ない!スマホ社会の落とし穴」と題する特別講演で、NPO法人子どもとメディア・代表理事 清川輝基氏は自然の中での外遊びの減少の結果、子ども達の足が育たず、目はガタガタ、体幹を含む筋肉や身体操作能力のレベルが低下し、基礎的人間形成の危機におちいり、脳の劣化が始まっていると主張しました。その論拠として東北大学の川島隆太教授の研究をあげ、仙台市内の小中高校生約7万人を対象に2013年からスマホの使用時間、自宅での勉強時間、睡眠時間、学力調査の成績を調査分析した結果、スマホを使うと、記憶、学習、行動制御、予測などの人間ならではの脳の働きを司どる前頭前野の血流量が下がること、睡眠時間、自宅の勉強時間に関係なく、スマホを1時間以上使ったら、使えば使うほど成績は下がることが分かっているそうです。
今日の会議に参加して、本当に良かった、胸にずっとモヤモヤしていた霧が晴れたようです。ずっと子ども達がちゃんと育ちあがってこないこの国は何かおかしい。何かを変えていかなければ、この国に未来はないと思っていました。気づいたら声を上げて出来ることをして、今よりもっと一人一人が明るいハッピーな顔をして暮らせる世の中にしたいです。日本の子ども達は衣食足りていても、あまりハッピーな顔をしてないと思いませんか?
木村ー黒田純子氏の「子どもの発達障がいの原因としての環境化学物質」と題する講演を聞いた。
「平成16年から27年にかけて特別支援学級に在籍した児童は2倍、通級指導教室に在籍した児童は約3倍に増えている。その中でも自閉症スペクトラム障害の増加が著しく、2012年に発表された疫学論文では、日本と韓国の有病率が極めて高かった。OECD発表の加盟国の農薬使用量と比較してみたところ、農地単位面積当たりの農薬使用量が世界第2位と1位である日本と韓国が、自閉症児の有病率でも共に世界2位と1位で一致し、両方とも3位英国、4位米国で、使用量と有病率が一致した。2011年に正確な疫学調査が実施され、自閉症の遺伝性は約37%、残りの67%は環境要因と報告された。遺伝子は、日本人全体など集団では一度に変わらない。数百年、数千年かかる。遺伝子は変えられないが、環境要因は変えることができる。脳は胎児期や出生後の数年間に、高次機能を担う神経回路網を発達させる。神経回路・シナプス形成には、膨大な種類の生理化学物質が、遺伝子発現によって次々に産生され、働くことが必須である。遺伝子そのものに変異がなく正常でも、環境要因、農薬など有害な化学物質曝露によって、その働き(遺伝子発現)は変わる。シナプスの発達に必要な、膨大な遺伝子の発現(働き)の一部が変わると、一部の行動がおかしくなる。
自閉症など発達障がいの原因となる環境要因は
⒈脳内に侵入する発達神経毒性を持つ化学物質
⒉出生前後のトラブル 早産、低体重、喫煙、有害化学物質曝露
⒊養育期のトラブル 虐待、低栄養、ネグレクト
⒋母胎や新生児期の感染症や抗生剤、抗菌剤の乱用による免疫異常 脳の発達には免疫系も重要で腸内細菌叢の異常による免疫異常の関与
⒌両親の高齢化特に父親の生殖細胞の遺伝子変異
等があるが、環境が原因であれば、治療、回復予防が可能となる。
個人でできる予防としては
*農薬などで汚染されている食品をなるべく食べない。野菜など農産物は無農薬、有機農産物を選ぶ。
*家庭用殺虫剤、園芸用殺虫剤をなるべく使わない。ゴキブリは叩いて殺す。
*水銀など重金属を避ける。(一部の魚に多い)
*PCB,ダイオキシンを避ける。(魚、肉の脂、クジラ、マグロのトロなどに多い)
*大気汚染を避ける。
*放射性物質や発癌性のある化学物質にも注意
等がある。」
初めて聞くことばかりで、本当にびっくりしましたが、有機農産物は高く、子どもの貧困が加速する日本社会で、予防に邁進できる家庭はどれ位の割合で存在するか考えると暗澹たる気持ちになりました。しかしシナプスにも可塑性があり、自閉症も療育などで25%ほどは良くなったという報告もあり、ADHDなどでは思春期過ぎに良くなることも多いので、一旦できた神経回路でも、学習や教育、療育などで変わる可能性がある。従って個性に合った療育が重要と聞くと、教育現場での工夫が本当に大切だと心に刻みました。
WEB110.COMの吉川誠司氏は厚労省平成27年度子ども・子育て支援推進調査研究事業報告書から「被害児童の67.7%が親子関係不調を、43.6%が家出・無断外泊、39.8%が低い自己肯定感の課題を課題を抱えていた。またその保護者もひとり親家庭が36.1%、保護者の心身の不安定状態が27.1%、保護者の無関心が26.7%、経済的な困難が24.4%」と保護者の生活の過酷さを表しているとし、ひきこもりや不登校、虐待など子ども達が抱える問題は社会から孤立することによって深刻化しやすくなるという。精神科医、臨床心理士、作業療法士、精神保健福祉士、キャリアコンサルタント、元教師等による組織的な訪問型支援が重要であるとする。家庭が子ども達の温かい居場所でなくなっている現実が、子ども達をネット社会の毒牙の餌食にさせている原因と言える。児童相談所扱いにはまだなっていない子たちにとっても、家庭でのびのび自分をだせている子は一体どれくらいいるのだろうか?
「いじめで亡くなった女子中学生の原因となったラインが発見され、その子を外そうと決定したのが、わずか1分30秒の即決だった。そしてそのいじめの首謀者とされる子の映像が『何月頃からこいつが先頭だっていじめていた。』と解説付きで公開されている。」と兵庫県立大学の竹内和夫氏は述べた。自分の写真もいじめのラインの言動もネットに流したら、回収不能なことは子ども達によくよく伝えなければならない。大人と同様リアルに問題のある子がネットに逃げる現実がある。いじめの発見には、アンケート調査より、学校HP内に、いじめに関する情報をいつでも匿名投稿出来る通報フォーム用意してみてはどうかと、WEB110.COMの吉川誠司氏は提案している。Kids‘Signはいつでも匿名でいじめの通報が出来るスマホ専用のwebサービスで、クローズなコミュニケーションアプリやSNSなど、外からみえないところで起こっているネットいじめなどの通報を匿名で受け付け、その情報を学校に届けるそうである。
先進諸国の中でも、抜群に女性の地位の低い国ニッポンは、子どもの性の商品化を容認する社会でもありました。ライトハウス子ども支援セミナー「子どもを性の商品化から守るには」に行ってきました。ライトハウス代表の藤原志帆子氏によると「3才から17才までの男女児の水着写真が、性器が見えていない、触られていないことを持ってエロ写真として規制されず、野放しになっている。他の国では扱っていないAmazonが、日本で掲載しているのはおかしいと、数年前に抗議したら削除されたが、今年もまだ掲載している。国連からニッポンは人身取引の最低基準を満たさない国と指摘されている。」とのことでした。昨今若い男女のAV被害が報道されているが、子ども達の性の商品化も危機意識をもってもっと報道されるべきだと思う。子ども達の人権を踏みにじる「表現の自由」なんて許されるべきではない!
10月18日にウパウパハウス助産院院長岡本登美子助産師の話を聞いた。「パソコン、ゲームその他のIT機器に向かう時間が長い男女は、電磁波その他の影響で副腎がやられ、セロトニンも出ず50%が不妊症になっている。40万円しか補助が出ないのに92万円かかる無痛分娩の希望者が増えている。おっぱいを飲ませるとオキシトシンが出てくるのに、人工的な出産で陣痛促進剤を使うとオキシトシンが出ない。オキシトシンの効果で、赤ちゃんに対する愛情が深まり、幸せな気分になり、心や脳が癒されてストレスを緩和するのに、これが出ないような出産事情が虐待の温床になっている。」という。人間の体も自然の一部なのに、自然の摂理に逆らうとどういう結果になるかということがなかなか目に見えないので、重大な社会問題と思われないが、昨今小学校へ上がってくる児童に愛着障害が多くみえることから、その原因が出産にまで遡って存在するという指摘は目からウロコでした。子どもたちがきちんと育ってこれない、これが日本の現状なのですね。
「トラウマとなるような体験が成人後に生じた場合には、その体験が生じるまでに人格はある程度出来上がっていることになる。そのため、トラウマは人格の中心からある程度離れた場所に位置することになる。それに対して、虐待などの体験は、いまだに人格の構造が定まっていない発達初期に起こるため、人格のかなり中心部にトラウマが生じることになると考えられる。幼い頃のトラウマ体験の後も人格は広がりながら発達していく。その際、人格はトラウマの存在を前提としてかたちづくられ、トラウマ自体を包み込むような形で人格がつくられていくわけである。中心部に位置しているぶん、人格に影響を与える範囲は広がり、人格全体を歪めるという結果を生じるのではないかと考えられる。」とその著「子どものトラウマ」講談社現代新書 で西澤哲氏は述べている。
ではトラウマを癒すにはどうしたら良いか、西澤氏は以下の様に述べている。
「トラウマとは瞬間冷凍された体験である。そして、冷凍されているがゆえに、心はその体験を過去のものとすることができず、いつまでも新鮮なままでその体験を抱えることになる。いわば現在に生きつづける過去として、その人のさまざまな心理的な機能に影響を与えつづけるのである。よってトラウマを癒すということは、その凍りついた体験を解凍し、従来の認知的枠組みの中に消化吸収していくことだと考えられる。」とし、「話すことによる癒し」・・トラウマとなった体験を詳細に語ることが再体験の効果をもたらし、そこにイメージや感情の表現をともなった場合には解放につながる可能性があること、再体験や解放を通してトラウマは次第に解かされていく。そしてその体験を自己が抱えていける程度にまでショックの強度がやわらいだとき、再統合のプロセスによって、その体験を自分の一部、あるいは過去の歴史の一部にすることができるのである。トラウマが癒されるプロセスとは、ある意味では『現在に生きつづける過去』が「『過ぎ去った過去』となる過程であるといえるかもしれない。」と。
「再体験」「解放」「再統合」という3つのプロセスをトラウマの消化吸収に仮定しているが、西澤氏も述べている通り、初めの一歩となる再体験出来る場つくりが非常に困難な課題である。「ここでは自分は痛い目にあわされることはない。ここは安心できる場所なんだ。」と子供たちが感じられる生活する環境は、なかなか見つけられないのが今の日本の現状である。